今年も残りわずか。 大晦日です。
今年はKNOXチームにとって激動の1年でした。
今秋、KNOXは30年目を迎える節目で新しいコレクションをスタートしました。
始まりは1979年。
生地と革のコンビネーション素材のバッグからスタートしたブランドです。
今でこそ、このような異素材の組み合せが主流となりましたが、
当時の日本ではまだまだ少なかったのです。
KNOX立ち上げディレクターの、進取の精神にもとづくものです。
その後、1985年にはシステム手帳をリフィルまで含めて日本製として初めて
製造スタート。ファイロファックスが火をつけたシステム手帳ブームにおいて、
日本製の代表格として多くのお客様の支持を勝ち取りました。
そう、80年代。システム手帳ブームがあったのです。
日本がバブルへ向かって行くエネルギッシュなあの時代、
ビジネスピープルの誰もがシステム手帳を小脇に抱えておりました。
分厚く電話帳のように束ねた革の手帳。。。その厚さは、
「膨大な仕事量や 忙しさを能率的にコントロールしている」
ということを周囲に語っているように見えました。
それを携帯していることで、沸々と自信が湧いてくる来るような、
そんな新しいビジネスツールとして、システム手帳に憧れを抱き、
みんが受け入れた時代があったのです。
60年代以降生まれが「新人類」呼ばれ、ダブルポケットと称される共稼ぎ世帯が増加、
TBSドラマ「金妻シリーズ」が流行り、不倫という言葉が一般に使われるようになったあの時代。
80年代後半から90年代初頭へのバブル景気、
やがてバブル崩壊、その後の失われた10年と呼ばれる停滞期。
そして平成景気を得て、今や世界経済危機へと。。。。
働くことの価値観、働き方のスタイルはどんどん変わります。
システム手帳の存在感も時代とともに変わり続けました。
PDAが流行ったり、携帯電話に便利な機能が付加されたことで
重いシステム手帳を敬遠する人々も増えました。
皆が何かを得て、何かを失って、何かを使いこなし、何かを捨てて。。。
そうして我々はどこに向かっているのでしょう?
そんないろんな事を考えながら、我々KNOXチームは新コレクション開発に着手しました。
「日本のビジネスピープルを元気にしたい」
「自信を持って仕事をコントロールする人々のスタイル提案がしたい」
スタッフから様々な意見が出てきましたが、根底にあるのは
「日本人を幸せにしたい」という気持ちです。
むろんその先にある遠い目標は「世界の人を幸せにしたい」という、
おこがましいけど、そんな気持ち。
80年代にシステム手帳が登場した時のように、
新しい働き方を提案できるような、そんなアイテムを開発せねばならない、
それがスタッフに課せられた使命です。
表層のデザインだけいくら変えても、多くのブランドが結局は同じ商品を
過剰供給するだけのこと。
ゆっくりとですが、
「ビジネススタイルを豊かにする、 新しい働き方を喚起する」
そのような志を維持しながら、来年もモノづくりに挑みます。
また、リフィルに関しては大幅なリニューアルとなりました。
きっかけは、製紙メーカーの紙偽装問題に端を発し、従来のリフィル用紙の
供給が不可能と判明したこと。また、それと同タイミングで、長年研究中だった
手帳用紙の自信作の開発完成とが重なったためです。
リフィルのリニューアルは多くのお客様にご迷惑をおかけしますので
大変重大な決意を要しました。
弊社としては当然売上が下がることが想定されますので、厳しい一時期は不可避となりますが、
何よりもknoxbrainリフィルご愛用者の方々には、昨年と同じ紙・デザイン・仕様のタイプを
ご提供できなくなり、大きなご不便をおかけすることとなります。
KNOXチーム内での議論は紛糾しました。
しかしながら、紙が改良されるこのタイミングで、次の時代へ向けた新しいモノづくりに
チャレンジしようということに決定しました。
紙が変われば多少デザインも変更せねばなりません。インクの色など、
相性が大きく関わるからです。
また、この際に考慮した一番の課題は、できるだけethicalでありたいという気持ち。
現在日本のシステム手帳市場では、各社がこぞって需要の何倍もの商品供給を行って
います。(むろん、これはシステム手帳に限ったことではないですが)
その結果、毎年大量のリフィル用紙が廃棄されていきます。
出来れば少しでも減らしたい。企業存続として、競争には勝ちたいという気持ちはむろん
ありますが、その中でも出来る範囲で軌道修正して行きたい。
少なくとも廃棄のほうが多いような商品は、利益あるなしにかかわらず、
絶対に存在してはならないと思うのです。
「大量に作って多くの問屋様を経由して大量に販売すれば売上になる」という発想は
どこか正しいことではない、そんな気がします。
効率は悪くても少量生産し、買っていただける小売店様にだけ仕入いただき、お気に召してくださる
お客様にだけご購入いただく。
需要と供給のバランスを修正したい、そんな気持ちです。
そのため、リフィルの種類は約6割に削減しました。自社売上は落ちるし、他社リフィル売上は
その分上がるだろうというこもやむを得ないと判断しました。
でも、それよりももっと先の長い時間軸でブランドを見つめなおし、自分たちが正しいと
思うこと、目指すべきことに少しづつでも近づきたい、そのような想いから決行しました。
knxobrainリフィルでご愛用者が少なく、且つ他社リフィルで同様の仕様があるリフィルは
かなりの品番数を製造中止としました。また、人気のある同じ仕様のリフィルに関しても、
なるべく他社製品とは差別化を心がけました。
各社製品と合わせて、市場全体としては、消費者の選択肢の幅は広げねばならないと
考えたからです。
結果として、日付リフィルは六曜、前後月のカレンダーが各ページからはずれる等、
大幅なリニュールとなりました。
「極力余白を残して、書く方の自由度を高める」ということがコンセプトです。
お客様の反応は賛否両論です。
多くのお客様から
「使用していたリフィルがなくなり不満」「以前のタイプより悪くなった」
とご叱責いただくことが多いです。
しかし、一方で「書きやすい」「書く場所が多く無駄がない」「前後月の小さなカレンダー
など見ることもなく、 無くなった分すっきりしてよい」等々
ご満足のお声も多数頂戴しています。
これら両方のご意見をしっかりと胸に刻みつつ、商品開発を続けてまいります。
従来のご愛用リフィルがなくなりご不便をおかけしてしまうお客様にはこの場で改めてお詫びします。
本当に申し訳ありません。
しかし、願わくば一人でも多くのお客様に愛していただけるよう。。。
今後もスタッフ一同心をこめて商品を作り、販売してまいります
2009年の新商品にも是非ご期待ください。
08年一年間ありがとうございました。
統括ディレクター TOYODA