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2025.05.08 NEW
リフィル

長期を見渡すリフィルは夢や希望を近づけてくれる

自分が最高に使いやすい自分だけの手帳を簡単に作ることができる。これが多種多様なリフィルを1枚単位で着脱して組み合わせるシステム手帳の大きな特長だ。

「ノックス」は年月日を印刷した「日付リフィル」を多彩にラインアップしている。デジタルな仕組みが普及し、スケジュール管理の多くがスマホやPCに移行しているが、紙とペンによる手書きのスケジュール帳の良さは不変だし、予定を確実に組んで行動をしっかり残しておくには手書きが最良だ。

私は、1ヵ月間と1週間の2種のリフィルを1冊のバインダーに入れている。1ヵ月間リフィルは1年分をまるごと綴じておき、1週間リフィルは直近3ヵ月分だけを差し替える。こうすることでノートリフィルをたっぷりと加えても、直径11mmリングの薄型バインダーに余裕で綴じることができる。こんな軽快な使い方ができるのもシステム手帳のメリットだ。

今回は、1ヵ月間よりもさらに長期を見渡すリフィルに注目してみる。紙の手帳の良さはページに指をかけたら次の瞬間に一覧して書き込みができること。「紙」というアナログな道具の良さは、長期を見渡すリフィルでより強く体感できる。
年間リフィルは半年をワイドに見通せる
「4つ折表裏1年間」リフィルは4ページ分の横長サイズを折り畳んだ蛇腹式。1ページに2ヵ月分の日付が並び、蛇腹を伸ばした片面に6ヵ月をレイアウトしている(表裏で1年分)。開閉を繰り返しても破れづらい丈夫なユポ紙を採用している。ユポ紙は選挙の投票用紙でおなじみの合成紙。樹脂ベースなので主に使える筆記具はボールペンか鉛筆。表面はとても平滑で、書き味はとても心地良い。水濡れや引き裂きに強く、1年間の酷使にもしっかり耐えてくれる。曲げても簡単に開く特性があるので、蛇腹の開閉はとてもスムーズだ。
大切な記念日、誕生日や命日、大きなイベントなどの記入が一般的だが、特に忘れてはいけない免許更新や大きな行事などに向けて準備するための予定表としてもかなり重宝する。自分はその日が終わると日付を塗り、1日の終了の目印としている。1日の出来事を1行にまとめてびっしり記録しているユーザーもいるそうだ。これを続けて1年が終わったら、4つ折表裏1年間リフィルは貴重な自分史の年表となる。
「カレンダー2年間」は多くのシーンで活躍する樹脂リフィル
片面に1年分のカレンダーを配置している「カレンダー2年間」も逸品だ。素材、機能、デザインに徹底してこだわる「ノックス」の哲学がこの1枚に凝縮している。素材はしなやかで厚みのあるPP樹脂。パンチ穴には切れ込みがあるのでリング開閉をしなくても素早く着脱ができる。厚みがあるのでリフターとして先頭ページに配置するのが一般的な使い方だが、上にタブがあるのでページファインダーとしても活用できる。見開き1ヵ月間や1週間のダイアリーのページファインダーとして使えば1年という長期をカレンダーで意識しながら日々変化する予定を組みながら行動できる。
しなやかな素材の良さは着脱する時にしっかり体感できる。金属リングと樹脂板の当たりが柔らかく、静かな場所でも気兼ねなく着脱できる。
「カレンダー2年間」と同じカレンダーリフィルが、ほとんどの日付リフィルに付属している。こちらの付属カレンダーは紙製なので、書き込みができる。余白を活用すると、1年の主要イベントや繰り返しの定期予定などを簡潔に書き込める。
「六曜一覧表」も日付リフィルに付属している。見開きで6ヵ月が俯瞰できる、とても便利なカレンダーだ。行事やビジネスで六曜が関連する予定が多いユーザーはとても重宝する。大きな買い物や宝くじなど縁起を担ぎつつ時機を狙う時は、この一覧は必須だろう。
夢や目標を近づけてくれるリフィルとして注目してみよう
仕事や人生の目標は、大体において思い通りに進まないものだ。未来は不確実なのだから、これは当然。さらに日々湧き上がってくる疑問や、大丈夫かなぁと感じる漠然とした不安を抱えながらみんな生きている。そんな中で可能性を探りながら前向きに進んでいく道具としてシステム手帳は活躍してくれる。過去も未来もすべては自分のもの。時間とは、今この瞬間を生きている自分の中だけに存在する。半年や1年といった長期のダイアリーを眺めていると、こんなことも実感できる。

自分は各地の離島を巡るのが趣味なのだけれど、今年の4つ折表裏1年間リフィルの11月23日に「青ヶ島 行く」と記入してある。この島は本諸島の有人島として最南端にあり、全島が断崖に囲まれた火山。難易度はかなり高め。いつかは行きたい、なんて漠然と思っていたらいつまでも行けない。今年の後半の予定に、まずは目標として具体的に書き込む。そして日々眺めているだけで、心の準備ができ、気分も盛り上がってくる。書き込んだのはたった5文字。でも毎日これをさっと眺めるだけで、今を生き、前に進む元気が出てくる。

同時にこだわりも捨てる。これも大切にしている自分流の手帳道。もし行けなくなったり、気分が変わったら文字の上から×をあっさりと書き込んで、来年のどこかにまた書き加える。こんな行為はデジタルの液晶画面ではなかなか難しい、というか面倒臭い。デジタルはいい加減さを徹底して嫌う。気楽であいまい、そして余白に自由さを含んでいるのも紙というアナログな道具の魅力だと思う。

思うように現実は変わらなくても、気分を変えることはできる。自分次第で人生はいくらでも楽しくできる。システム手帳とは、よりよく生きていくための道具であり、運命を愛でる道具。長い時の流れを見渡し、目標や夢を近づけ、過ぎた時間を紙に定着させておくリフィルはシステム手帳にとって不可欠な存在だ。
文・写真/清水茂樹(編集者・文具ディレクター)

1965年生まれ。
2004年に日本で唯一の文房具の定期誌「趣味の文具箱」を創刊。2016年からはシステム手帳の魅力と最新情報を発信する雑誌「システム手帳スタイル」を発刊。2009年から2022年まで日本文具大賞(ISOT)審査委員。
現在は主にシステム手帳の商品企画と、魅力の発信に取り組んでいる。
本コラムで紹介した製品
4つ折表裏1年間
バイブルサイズ
521-121
550円 (税込)
・ラインアップ
・ONLINE SHOP(楽天)
カレンダー2年間
バイブルサイズ
521-201
550円 (税込)
・ラインアップ
・ONLINE SHOP(楽天)