FEATURE

KNOXの歴史を力強く支え続ける超スタンダードモデル
「PEARCE & PEARCE PREMIUM」

「バッファローカーフ」を贅沢に、全身に使用した本格派シリーズ

1993年にKNOXの歴史を支えるひとつの本革シリーズが生まれた。
エイジングとともに革を育てるシステム手帳の楽しみは今となってはごく普通の体験になったがいわゆる“ベジタブルタンニンなめし”という言葉を聞くことさえ稀だった当時において、ある意味挑戦的なシリーズとなったPEARCE。

本格派レザーと言えばその圧倒的な歴史と職人技に裏付けられた欧州の素材が席巻する中で、PEARCEはまさにその時流に乗った本場英国のタンナーで仕上げられた「バッファローカーフ」を贅沢に、全身に使用したシリーズとして誕生した。

カーフとは生後6か月くらいの仔牛の革を言うわけだが、もちろんそれらも食肉の完全副産物であり、とても希少価値の高い素材として今でも革好きには愛されて止まない。

そのきめ細かな表面の美しさと滑らかな肌触りは決して成牛では得られない一級素材。
さらに、この革は一般の牛とは異なるバッファローであるわけで、成牛時に、より深く現れる表面の独特な凹凸感が微かに感じ取れる、実に味わいあるカーフスキンなのだ。

この魅力ある本革とともにブランドを支えるのは、今もなお一途にPEARCEを変わらず作り続けている熟練縫製職人の技。
繊細で、時にデリケートなこの革一枚一枚の個性と丁寧に会話を交わしながら形作られる手帳や小物たちは、バッファローカーフスキンの持つ力と相まって、きっと使う人の心をつかんで離さない。
KNOXと言えば?の顔にすっかり育ったこれぞスタンダードモデル「PEARCE」シリーズ。
2018年には、このバッファローカーフとイタリアンナチュラルシュリンクレザーとの饗宴「PEARCE PREMIUM」シリーズがセカンドシリーズとして新たに生まれ、さらなる進化を遂げるPEARCE。
ぜひその製作背景にある濃厚なストーリーを味わいながら日々の手帳ライフを楽しんでほしい。
小さなバッファローカーフと言えども端まで無駄にしない革の型抜き技。素材を最後まで使い切るKNOXスピリットの原点だ。
型抜きを終えたパーツの縁は裂ける手前まで一枚一枚丁寧に漉き機で薄く漉く。本革だからこそ可能なこの作業があって、製品になった時のスマートな面持ちを再現できる。
美しい漉き跡。ガイドもなくここまで直線状に薄く漉き上げる。
縁の漉きとともに製品の顔立ちをぐっと引き立たせるコバ塗り&磨き工程。革の染色とコントラストの効いたコバ色は、塗布時に特に気をつかう作業だ。
文字通り念を入れて引く「念引き」。ちょうど絵画が美しい額縁に飾られてさらに作品が引き立つように、各パーツの辺を一枚たりとも妥協せず熱ゴテでラインを刻むことで生まれる新たな表情。素材を大事にするKNOX職人魂だからこそ失敗が許されない。
芯材を貼り合わせてより風合いを持たせたパーツ同士を専用のミシンで縫い合わせていく。
形状がどんなにカーブしようとも一糸乱れぬ縫製の技はまさに一針入魂。
革の微妙な色合いにマッチした糸色。この糸選びで製品の顔は劇的に変わる。
職人の魂と言っても過言ではないこだわりの道具たち。同じ道具でも職人それぞれの手癖にあわせて独自にカスタマイズされている。
きめ細かで上品な顔立ちの表革バッファローカーフの内に覗くビビッドなイタリアンナチュラルシュリンクレザーが 使う人のモチベーションをアップする「PEARCE PREMIUM」シリーズ。